漫画『遊☆戯☆王5D's』全9巻 感想

ストーリー:彦久保雅博/作画:佐藤雅史/協力:スタジオ・ダイス『遊☆戯☆王5D's』の感想です。ネタバレがあります。

 

 決闘疾走者(ライディングデュエリスト)・不動遊星が弟分の伊集院セクトを救うべく参加したD1GPという大会を通じて、決闘竜と5000年前の因縁にまつわる戦いに巻き込まれてゆく、アニメとは違う「遊戯王5D’s」です。

 

 

もう一つの「5D’s」

ダークシグナー編を再構成したようなストーリーです。

ボスはレクス(とセクト)のみで、ナスカの地上絵の代わりに5000年前の前世の因縁が話の軸になっています。

感動や盛り上がりはアニメの方が強いですが、ルドガーや双子の役割の重要性が増していたり、赤き竜がタクシーではなくモンスターとして活躍したり、要所要所でアニメで有効活用できなかった要素を掬い上げてくれていると感じました。

一番嬉しかったのは、ジャックがちゃんと「絶対王者」なこと。尊大な物言いでギャク要素は皆無、遊星に理解を示しながらも自身は最後まで孤高を貫く姿はまさに「キング」です。

アニメ後半の、ローンを払わなかったりシンクロ弁当を作ったりするジャックも愛嬌があって嫌いじゃないですけど、キングらしさは漫画版の方が上でしょう。

 

遊戯王なので、ネタ要素もたくさん。一番有名なのは「馬のままで決闘疾走だと!?ふざけやがって!!」でしょうか。その後遊星自身も馬に乗ってデュエルするという完璧なオチ付き。

どうでもいいですが、ネットで調べたら、馬の時速は60キロくらいらしいので、あのデュエルは割と安全運転だったみたい(笑)

 

 

モンスターデザインと作画

モンスターも、シグナーの5竜以外はほぼオリジナル。

デザインもかっこよくて、私はベエルゼがお気に入りです。あと、アキさんのモンスターは女性的で、美しくて好きですね。ローザリアン?知ら管。

作画に関して言えば、キャラクターの動きや表情が若干硬いのが気になります。顔芸もアニメに比べると大人しめ。

ですが、モンスターやメカは上手いし、デュエルシーンは迫力もあるので、全部ひっくるめてみれば丁寧な良作画だと思います。

 

 

フィール

この漫画の一番の功績は「フィール」という不思議な概念を生み出したことでしょう。

もともと遊戯王という作品には独特のテンションというか、空気感が存在していましたが、それをフィールの一言で表せるようになったのは大きな進歩です(笑)

しかし、この「フィール」の凄いところは、連載開始から半年以上の間、読者に何の説明もないまま使用されていたことでしょう。

第2話「闇のフィール!!」…読者「フィールって?」作者「ああ!」←序盤はこんな感じです。

まあ、それが許され、いつの間にか本作の代名詞になってしまうところが、まさに遊戯王のフィールなんですけどね(笑)

 

 

おわりに

正直なところ、最初はカードが欲しくて買ったんです。でも、漫画の途中の巻だけ本棚に並んでいるのがどうも釈然としないので、全部集めて読んでみたのですが、まあまあ面白かった。

少年漫画らしい王道ストーリーにシュールさと超展開を足した、いつもの遊戯王のフィールを感じられる作品です。