空想の域

あくまで個人の感想です

『外見至上主義』1~101話 感想

T.Jun『外見至上主義』日本語版最新話までの感想です。ネタバレがあります。

 

ある日突然長身イケメンの体を手に入れたブサイクでいじめられっ子の蛍介が、昼はイケメンとして高校に行き、夜はブサメンとしてコンビニでバイトをする中で様々な出来事に巻き込まれてゆく…というお話。

XOYという漫画配信サイトで無料公開されています。

xoy.webtoons.com

 

 

人は見た目が100%なのか?

 「朝起きたら僕はイケメンになっていた」という広告が一時話題になったやつです。

「イケメンになって人生逆転!」というよりは、外見による格差を実感しながらも、「本当に大切なことは何だろう?」と考えていく話です。

容姿差別を下敷きにして、いじめ、オークション詐欺、ネットストーカー、炎上動画など、現代の若者を取り巻く問題を題材にしているので、内容はかなり真面目。身につまされる話もたくさんありますが、基本がコメディタッチでギャグ回も多いので、割とサクサク読めます。

たまに「一日だけ休ませて」「休載カモン」といった作者さんの心の叫びが書かれているのには笑っちゃいますね(笑)

また、意外と不良漫画的な要素が強くて、登場人物は高校生が多いですが、飲酒喫煙は当たり前で何かあればすぐ喧嘩。ヤンキーを通り越してや〇ざみたいな人もいますし、喧嘩シーンはもはやバトル漫画です(笑)

 

イケメンになった蛍介は周りからはちやほやされっぱなしですが、心根が優しく、ちゃんと内省して成長していくキャラなので、すごく応援したくなります。

蛍介の内面の成長の結果として、ブサイク蛍介の方にもだんだんと友達ができていく様子には、何だかこっちまで嬉しくなります。

 

アプリでの配信を前提とした漫画なので、書籍の漫画とはかなり趣が異なります。コマが縦にずっと並んでいて、漫画というより絵物語(?)という感じですが、慣れてくると「これもありだな」と思えます。

コマによって塗りの精度に差があったり、使い回しのコマ(主に背景だけのコマ)があったりはしますが、基本的な作画はきれいですし、週刊フルカラー連載であることを考えれば十分許容範囲内です。

 

 

キャラクターのリアル感

 この漫画、登場人物の性格に凄くリアリティがあります。

ちやほやされすぎて何をしても許されると思いこんじゃった人、自分が不遇なのは全部周りが悪いと思っている人、せっかく不遇な状況から救いだされてもまた自滅しちゃう人…。「こういう人、現実にいそうだな」って人がすごく多いです。

もちろん悪い人だけではありません。

例えば、ブサイクだけど周りの嘲笑にめげずにラッパーになる夢を追い続ける敏斗はまさに人間の鑑みたいな奴だし、強面だけどちょっとお馬鹿で正義感にあふれるバスコもすごくいいキャラです(バスコの過去編はかなりきついですが泣けます)

あとは蛍介の母ちゃんですね。どんなことがあってもずっと蛍介の味方でいてくれる、本当に優しい母ちゃんです。母ちゃんが絡む話はほぼ全部泣けます。

 

ちなみに、私のお気に入りはクラスメイトの四宮くん。無口で何を考えているか分からないけど、お金持ちで、頭もよくて、喧嘩も強くて、いつも蛍介を助けてくれるというまさに完璧超人。

完璧キャラなのに嫌味が全くなくて、成り行きでブサイク蛍介と会った時も変わらない態度で接するところが素敵です。

 

 

文化の違いも魅力

もともとは韓国で発表された作品ですので、韓国社会を前提にした内容ですが、普遍性のあるテーマなので、日本人でも十分に共感できます。

日本語版は舞台が東京という設定ですが、内容はそのままなので端々に文化の違い(例えば、図書館の自習室は男女別だし、元ネタが分からないSNSも登場します)が垣間見えます。

 

感想サイトの中には韓国の文化などについて解説してくれているところもあるので、そうした情報をあれこれ調べるのも楽しいですね。

聞いた話だと、メインキャラにはモデルがいて、作中で登場する服装なども実在のブランドのようです(私には一切分かりませんが)

あと、作者さん自身もすごくイケメンで金持ちみたいですね…ひええ。

 

 

おわりに

正直、イケメンが無双して俺つえー的なのを想像していたので、いい意味で裏切られました。暇つぶしのつもりで読み始めたのに、気付けば丸一日かけて最新話まで一気読みしてしまいました。

何といっても、イケメンがいっぱいで目の保養には最適です(笑)それだけで読む理由になるのだから、タイトルに偽りなし。その上で人間的魅力も十二分に描写されているのだから、素晴らしいことこの上なしですね。

無料なので、暇な人は是非読んでみてください。オススメです。