空想の域

あくまで個人の感想です

『Sporting Salt』全3巻 感想

久保田ゆうと『Sporting Salt』の感想です。ネタバレがあります。

 

 天才的スポーツドクターである主人公・塩谷浩之がスポーツ名門校・立花港高校の全部活を全国大会に出場させるべく奮闘する、スポーツ医学漫画です。

ジャンプで18週打ち切りの作品ですが、その内容からカルト的人気(?)を誇っています。

 

 

超展開スポーツ医学漫画 

世にも珍しいスポーツ医学を題材にした漫画です。

とは言っても普通のスポーツ医学ではなく、背中を「トーン」と押しただけで徒競走でビリから1位に、塩おにぎりを食べただけスタミナ不足解消などといったトンデモな内容の、いわゆる超次元スポーツ医学です。

トンデモであっても面白くて勢いがあれば「塩理論」が確立されるのですが、読者目線の登場人物もおらず(塩谷が変人なのはいいとしても、生徒会長は常識人にしてほしかった)、面白い超展開というより話についていけない感じ。

 

後半は、バトル化&お色気要素のテコ入れのせいで内柴や太陽ばかりが目立ち、塩谷はどんどん空気化。塩谷の「オペ」もスポーツ医学というよりは精神論的なものになり、アイテムもネタ切れで完全に迷走してしまった印象。

スポーツ医学という題材はよかったのですが、地味な役回りのスポーツドクターという職業と、ノリ重視な超展開ストーリーがかみ合わなかったのかなぁ、と思います。

 

 

見ていて不安になる絵

そんな本作の最大の特徴は、奇妙すぎる作画。

手足がぐにゃぐにゃしていたり、腰が90度曲がっていたり、女の子の胸が片方しかないように見えたりと、大ゴマで堂々とおかしい部分が嫌というほどあります。

人体がちゃんと描けないのは「スポーツ医学」という題材においては致命的と言わざるを得ません。線が小奇麗でやぼったさがないので、人体のバランスさえ取れるようになれば一気に見れる絵になる気がするのですが…。

でも、ギャグシーンのデフォルメイラストはかわいらしくて結構好きです。

 

 

おわりに

 「現代のネクロノミコン」という珍妙なあだ名を世間様から頂戴し、google先生に「スポーティングソルト」と入れれば「スポーティングソルト 解読」とサジェストされる不思議な漫画。

興味本位で読んでみましたが、噂に違わぬ内容だというのが率直な感想です。

しかし、もっと酷い漫画はたくさんあるだろうにも関わらず本作がやたらと槍玉に挙げられるのは、やはり天下のジャンプに掲載されたことが大きいのでしょう。