空想の域

あくまで個人の感想です

「タクティクスオウガ 運命の輪」感想

2011年にスクウェア・エニックスより発売されたPSP用ソフト「タクティクスオウガ 運命の輪」の感想です。ネタバレがあります。

なお、私はSFC版未プレイです。

 

内乱の続くヴァレリア島を舞台に、少数民族ウォルスタ人の戦士として戦う主人公・デニムが英雄として島を統一するまでを描いた戦記ものSRPGです。

何となくゲームがしたくて、タイトルくらいしか知らない状態で始めましたが、世間で評価されている通り、ゲーム的にもストーリー的にも本当に面白くて、ものの見事にハマりました。 

 

 

システムあれこれ

高低差

色々と独自色のあるシステムを採用した作品ですが、一番特徴的なのはマップが3次元的で高低差があることではないでしょうか。

始めた時は何とも思わなかったのですが、よく考えるとFEもスパロボもマップは平面なので、これは結構凄いことです。

高所から低所へは届く飛び道具が逆だと届かないし(当然)、降りるより登る方が大変(当たり前)なので、同じマップでも低所から始まる場合と高所から始まる場合では難易度が全然違います。

この辺がなかなか面白くて、「よく出来てるなぁ」と感心しました。

 

やり直し

高さの要素が加わることで他のSRPGよりも考えることが多く、難しくなっているのは確かだと思うのですが、それを補うかのように、本作には50手前までの行動をやり直しできる「C.H.A.R.I.O.T.」という機能がついています。

これによって、間違って味方に魔法を当ててしまったり、壁に弓を射てしまったりした場合でも安心です(そんなアホなことをしているのは私だけかもしれませんが)

他のゲームではまず見ない機能ですが、本作で遊んだ後だと、「何で他のゲームにはないの?」と思うくらいすんなりと馴染んでいます。

 

難易度

難易度は難しめで、特に、救出マップはNPCが敵に特攻していくためやたらと難しいのですが、システムのおかげもあって、あれこれ試行錯誤するのが不思議と楽しいです。

べらぼうにレベルを上げるのではなく、マップの地形やユニットの配置を工夫して難易度を調整しているのも◎。

若干弓が強めで、特に、飛行ユニットで移動力も高い「かのぷ~」こと「カノープス」は最強の弓キャラです。もう嫌というほどたくさんの窮地を救われました。感謝感謝。

 

 

レベリング

本作はクラスレベル制で、経験値は戦闘終了後に出撃ユニットのクラスに平等に入る仕様のため、出撃したら黙って立っているだけで経験値が入ります。育てたいユニットでとどめを刺すというちまちました作業が苦手な私にはありがたかったです。

ただ、一つだけツッコみたいのが、クラス単位でレベルが設定されているにもかかわらずクラスレベルアップ時に出撃したユニット個別のステータスにもボーナスが入るという謎仕様。

こいつのせいで同クラス同レベルでも能力差がずいぶんと開き、加入時期の遅いユニットは活躍しづらいです。何より、全てのクラスレベルを上げきったが最後、能力差が埋まらなくなります。

同クラス=完全に同能力じゃあ面白くないと思ったのかもしれませんが、やり方が悪いです。

このボーナスの仕様、私は終盤まで知らずにやっていたので、ギルダスとミルディンには随分と差がつきました。悔しいでしょうねぇ。ギルダスすまん(笑)

 

 

演出

オリジナルがSFCのゲームなので、バトルもイベントシーンも、ドット絵(風?)のマップで展開されます。

ゲームを始めた当初は「キャラが小さいなぁ…」と辟易しましたが、小さいながら細かいところまでよく作ってあるため、今となっては「これはこれであり」と思います。

ただ、ちょっと気になるのが、魔法などのエフェクトをoffにできないこと。後半は出撃人数が増える上、敵が無意味に補助魔法をかけまくるためテンポが悪くなります。

顔グラ(キャラデザ)や音楽は非常に気に入りました。ゲーム中にサウンドテストがあるのも嬉しいです。

 

 

トーリー

民族紛争をテーマにした作品だけあって、かなり重~い話です。

表現がマイルドなのでまだましですが、グラフィックがリアル系だったら規制まっしぐら(どうでもいいですけど、こういう作品を見ると、グラがそこそこだからこそ許される表現ってあるよなぁ、と思います)

「理想のために手を汚せるか」というのが全体の大きなテーマになっていて、その考え方によってL(ロウ)、C(カオス)、N(ニュートラル)の3つのルートに分岐するのですが、別にどれが正解というものでもなく、結局どれを選んでも茨の道です。

そもそも主人公=善ではないし、英雄と言ってもヒロイックな活躍はほとんどないです。

大概において敵が取り付く島もないくらい正論で、容赦なく辛辣な言葉を投げつけてくるんですよね。

「強い者には蹂躙する権利がある」「民は望んで支配される」などなど、かなり強烈な思想をお持ちの方もいらっしゃるので、主人公だけでなく、リアル底辺の私もSAN値がゴリゴリ削れます。

まあ、ある意味一番強烈な思想を持っているのはカチュア姉さんってところがまた面白いのですが。

結局、何が正しいのかなんて分からないんだから自分で考えて生きろ、ってことなんだろうなぁ、と思います。

 

運命の輪

ルートによって主人公のみならず登場人物達の運命も大きく変わり、あるルートでは仲間になるキャラが別ルートでは死んだり、ろくに登場しなかったりします。

その中でも特にふり幅の激しいのが、親友のヴァイス。彼は主人公の選択によって180度キャラが変わります。

私は1週目がLルートなので、ヴァイスはいわゆるライバルキャラだとばかり思っていました。ところがどっこい、もう一度1章に戻ってCルートを選択したらまさかの顔芸展開で思わず口が開きっぱなしになりました。

Cルートの彼の末路はあまりにも悲惨で参ります。最期にデニムの名前を呼ぶのがもう…(そしてNルートではカチュアってのがさらに)

1ルートだけでも十分面白いシナリオなのですが、全ルートを俯瞰して各キャラの行く末を慮るのもまた味わい深いです。

 

 

おわりに

プレイ時間は110時間くらい。でもまだ完全クリアじゃないです。

システム面は若干難があるものの全体的には出来もよく、単なる勧善懲悪とは一線を画したストーリーはとても見応えがあり、傑作、名作という評価も頷けます。

確かに難しいことは難しいのですが、SRPG下手くその私でもなんとかなるくらいの絶妙な難易度になっているので、暇な人はぜひプレイしてください。