『てらほくん』全1巻 感想

原作:貴家悠&橘賢一(『テラフォーマーズ』)/作画:フォビドゥン澁川『てらほくん』の感想です。ネタバレあります。

 

 小学5年生の膝丸燈くんが橋の下で拾ってきた火星ゴキブリみたいな生き物「てらほくん」をペットにしたことから始まる、カオスなギャグ漫画です。

 

 

原作愛の賜物

 原作のシリアスさ、厨二かっこよさは完膚なきまでに打ち捨てられ、大概のキャラは跡形もなく完全崩壊しています。

例えば、ミッシェルさんは筋肉バカ、爆はガチホモ先生、アシモフさんは床屋(もうろく気味)、凱将軍はミッシェルさん覗き魔、といった具合です。

しかしこれらは決して無根拠なキャラ改編ではなく、実のところ意外なほどに原作に沿っているのです。

なぜなら、ミッシェルさんは筋トレを欠かさないし、爆は「男の子でも慰み者になる」という旨の発言をしたし、アシモフさんは「シャワーしながらおしっこする癖がつくとじじいになってから床屋で漏らす」という雑談をしたことがあるし、凱将軍はミッシェルさんに子供を産ませようとしてましたから。

原作準拠だけどキャラ崩壊、キャラ崩壊だけど原作準拠。この絶妙さ加減には並々ならぬ原作愛を感じます。

一体どういう頭をしていたらこんな発想が出てくるのか(褒め言葉)これはすごい。

 

そもそも、てらほくん自体がこの漫画のために生まれたわけではなく、「男性読者が9割以上を占める『テラフォーマーズ』に女性読者を呼び込む」という企画で生まれたゆるキャラ、というギャグみたいな出自。そりゃあ面白いわ。

 

 

カオスなギャグ

 原作の名シーン、名セリフ、ナレーションや回想シーンなどの「お約束」はもちろんのこと、結構細かいコマでも原作を意識しており、かなり内容は濃いです。

連載時期が実写映画の時期と近かったようで、映画ネタもあり。ティンがティ~ンな作画で登場します。しかも実際の映画の出来がティ~ンという二段オチ。

 

他にもYouTuberネタ、DBネタから「飛影はそんなこと言わない」まで、パロネタはかなり幅広いです。フォビドゥン先生お馴染「テラフォーマーズ大好きおじさん」も収録されています。

正直、絵はそんなに上手くないのですが、顔芸は妙に気合が入っていてインパクトは十分です。

 

 

おわりに

絶妙な原作再現度には常に驚き&笑わされます。

何が何でも原作『テラフォーマーズ』の世界観を壊されたくない、という人は見ないが吉ですが、寛容な『テラフォーマーズ』ファンにはぜひ読んでほしいです。

本作を読んだ後に原作を読めば、その内容を思い出して笑えることうけあいです。