『テラフォーマーズ』1~20巻 感想

原作:貴家悠/作画:橘賢一テラフォーマーズ』の最新巻までの感想です。ネタバレがあります。

 

火星で異常な進化を遂げ凶暴になったゴキブリ「テラフォーマー」と、様々な動物の能力を得た人間との闘いを描いたSFバトル漫画で、映画化、アニメ化もした人気作です。

 

 

動物人間vs人間ゴキブリ

何よりも、敵がゴキブリという設定のインパクトが凄いです。まさに発想の勝利。

火星ゴキブリ「テラフォーマー」は一言でいえば人型のゴキブリなのですが、地球ゴキブリの生理的嫌悪感がそのまま残っており、一目で「敵」だと分かる気持ち悪いデザインは秀逸です。

敵がゴキブリでは当然「敵にも信念がある」的な展開はないので、心おきなく敵を倒す爽快感に浸れます(テラフォーマーはかなり強い上に大量におり、しかも恐ろしいスピードで進化を遂げるためそう簡単には勝てませんが…)

人間同士のバトルなら「主人公が善で敵が悪」なんて単純な構図は今時流行らない気がしますが、相手がゴキブリになるだけでこうも自然に思えるのは、やはり人間はゴキブリが遺伝子レベルで嫌いだからでしょう(笑)

 

テラフォーマーに対抗するのは、MO手術によって様々な生き物たちの能力を得た人間たちです。

取り上げられる生き物はけっこうマイナーなものが多いので「地球には本当に色んな生き物がいるなぁ」と感心すると同時に、ちょっと賢くなった気になれます。

MO手術で得た能力の他に、武術を習得しているキャラや、各人の特性に合わせた専用武器もあり、今までにない感じのSFバトルとして仕上がっています。

 

絵も非常に上手いです。万人受けする絵柄だと思いますし、バトルシーンは迫力があり、描き込みも細かいです。

背景はもちろん、メカや能力解説の時に出てくる動物など、全方位でクォリティが高いのが素晴らしいです。

そこそこお色気要素があるのも◎

 

 

回想シーンと今後の展開

トーリーは、ゴキブリとの闘いと並行して、各キャラの生い立ちや彼らをとりまとめる国家間の思惑などの人間ドラマが展開されます。

舞台は26~27世紀ですが、国際情勢や文明レベルが現代とほぼ同じであり、日本の街並みもいかにも現代風。ツッコんだら負けだと思いますが、新章は地球が舞台なのでさすがに気になります(笑)

 

巷で言われているように、ピンチになるとそのキャラの回想→覚醒→逆転(または死亡)という展開はぶっちゃけパターン化しています。

これが好きか嫌いかが本作の評価の分かれ目ですが、個人的には様式美としてありだと思いました。私が単純だからかもしれませんが、回想シーンは割といつも燃えますね。ナレーションや聖書の引用など演出も個性的です。

エピソードとしては、アドルフの話と劉の話が好きです。今後、劉の名誉が回復することがあるのかが気になります(厳しそうですが)

キャラがすぐ死ぬことも、絶望感の演出に一役買っているし、これはこれでありだと思います。かわいい女の子が速攻で死ぬとさすがに悲しくなりますが…。

 

ただ、本作は既にそこそこ長期連載にもかかわらず最新巻でもひたすら風呂敷を広げまくっているのが気になります。

「テラフォーマーの殲滅」という目標にはまだまだ程遠いですし、燈の出生やニュートン一族の目的、超文明ラハブの正体など、重要な伏線はほとんど未解明で、ストーリーを上手くたたむことができるか?という点に関してはちょっと心配です(まだ気が早いかもしれませんが)

 

 

ミッシェルさんが好き!

一番好きなキャラはミッシェルさん。

バトル漫画の常として、女の子はスピード系やサポート系の能力が多い中、ミッシェルさんはバリバリの直接戦闘系で、本人もすごくマッスルなところがかっこいいです。

性格もさっぱりしていてユーモアも通じるし、しかも眼鏡っ子なんですよ。もう私のためにあるようなキャラです。本当に素晴らしい。

 

ミッシェルさん以外だと、中国班の西がいいですね。素っ裸なのにイヤリングはつけたままなのがいいんです。慶次との共闘は燃えました。

後は地球編の新キャラ・朝太郎。「首が270度曲がる」というものすごく地味な能力ですが、燈の親類ですし、ランキング3位なのでこれからの活躍に期待です。

 

 

おわりに

最初は「ゴキブリの漫画かぁ…」なんて思っていましたけど、熱く、容赦のないバトルにすっかり魅入ってしまいました。

ベタな部分もありますが、厨二ナレーションなど、盛り上げが上手いのでそうだと分かっていても燃えます。

トーリーに関してはそろそろ進展が欲しいなぁ、と思うところ。多少のツッコミどころは問題ではないと思うので、熱い展開にしてほしいですね。

現在は長期休載中ですが、連載再開の暁にはテラフォーマー達の謎が少しでも解明されることを期待しています。