『未来日記』全12巻 感想

えすのサカエ未来日記』の感想です。ネタバレがあります。

本編の他に外伝が3巻ありますが、今回は本編のみの感想です。

 

 未来の出来事を記述する「未来日記」を得た主人公・天野雪輝が、同じく未来日記を持つクラスメイトの我妻由乃とともに12人の日記所有者による神の後継者の座をかけたサバイバルゲームに挑む…という内容。

絵柄はこざっぱりとしていて、デスゲーム系作品ではありますが、あまりグロくはないです。それよりもかわいい女の子が売りの作品だと思います。

 

ヤンデレヒロインを楽しむ漫画

本作の一番の特徴は、登場人物がみんなぶっ飛んでいること。メインキャラは12人の未来日記所有者たちですが、それそれ非常に個性的で面白い奴らばっかりです。

その中でも群を抜いて凄いのが、ヒロインの我妻由乃。絵にかいたようなヤンデレで、主人公・雪輝には献身的に尽くすものの、雪輝に敵対する者や、自身と雪輝の仲を否定する者は容赦なく殺します。

あくまで普通の女子高生のはずなのに、何故か戦闘力が異様に高くて、彼女がすぱすぱと雑魚を切り倒していくところは見ていて小気味よいです。

 

一方、主人公の雪輝は終盤まで一貫してヘタレで、一途すぎる由乃との対比が印象的です。

由乃の気持ちをうまく利用して守ってもらおうという打算と、本気で自分のことを想ってくれる由乃への愛情と、由乃に異常性に対する恐怖と、いろんな感情が入り混じって右往左往する様は何とも人間らしい。

相手が常人だったら雪輝も結構ゲスくみえるところですが、今回は相手も異常者なので、割れ鍋に綴じ蓋的な収まりのよさを感じます(笑)この危なっかしい二人の行く末が気になり、物語に引きこまれます。

 

由乃のことばかり書きましたが、他の日記所有者も個性的なキャラばかり。私は9thの雨流みねねと12thの平坂黄泉が好きです。

ただ、デスゲーム系漫画の常として、主人公一味以外のキャラは基本的にすぐ死んでしまい、登場シーンが多くないのが玉に傷(みねねはかなり終盤まで生き残りましたが)

 

 

テンポの良いストーリー

なんといっても未来の出来事が書かれた日記で殺し合い、という設定のインパクトが桁違い。まず舞台設定で読者の心をぐっと掴んで、その後もストーリーがサクサク進み、飽きさせません。とにかく続きが気になるような展開を作るのが上手いです。

おそらく12人の日記所有者に合わせて全12巻となったのでしょうし、引き延ばしらしい引き延ばしもなく、終始一貫したテンポでストーリーが展開されています。

 

終盤のループ展開はかなり風呂敷を広げた感はありますが、あらためて考えてみれば、「未来」日記で「時空」王の後継者を決めるゲームをするのだから、時間超越、ループという展開もそう突飛な要素ではないのでしょう。

何より、由乃と雪輝がちゃんと結ばれて「HAPPY END」を迎えたのがよかったですね。ヤンデレヒロインだとどうしても悲劇的な結末に終わることが多い気がするので、ここまで紆余曲折ありながらのハッピーエンドは純粋に凄い。

 

ただ、雪輝の空想であったデウスとムルムルがどうして実在したのか、なぜ最後に由乃は雪輝のもとに来られたのか、また、特に終盤はループ展開だけでなく秋瀬の正体やムルムルの暴走(?)などサクサク進み過ぎて、説明不足に感じる点も多いです。

由乃の座禅や12thの催眠術など未来日記以外の超能力や、11thの護衛部隊(一都市の市長があんな銃を持った部隊を組織できるわけがない)など、ツッコミどころも結構あるので、細かいことは「気にしたら負け」な作品だと思います。

 

おわりに

良くも悪くもノリ重視の作品だと思います。

細かいところが気になる人や考察が好きな人は合わないかもしれませんが、由乃をはじめとするどこかネジの外れた登場人物が魅力的で、ストーリーも先の読めない、続きの気になる展開の連続だったので、個人的にはかなり楽しめました。

全12巻と手ごろな巻数なので、ヤンデレヒロインが好きな方はどうぞ。